報告!安心して対話を楽しむ「つながりカフェ」~絵本から始まる対話を経験してみよう~
たかしま市民協働交流センターの坂下です。
昨年度から、「朽木のみんなと円卓会議」で、世代や職業、性別などに関り無く、誰もが安心して対話を楽しむ場を持ちたいと開催しています。
哲学対話を各地で実践されている梶谷真司さんを朽木にお迎えして、哲学対話についてお話をお聞きし、関心のあるメンバーで体験したり、朽木中学校などでも対話を体験していただいたり、数回程度、対話を体験してきました。
そろそろ、自分たちでもファシリテーションをしてみようと、今回は梶谷さんから事前にアドバイスをいただき、ファシリテーションを自分たちでしてみました。
9月27日の「安心して対話を楽しむ つながりカフェ」の案内はこちらです。
これまでの「安心して対話を楽しむ つながりカフェ」についてご覧ください。
今回の参加メンバーは、初めての方お一人と何度も体験している朽木のみんなと円卓会議のメンバー6名でした。少人数でしたが、今回もゆっくりと話をして、聴いて、考える時間を持つことができました。
まずは、いつものように椅子を丸く寄せて座りました。
そして、安心して対話できるイメージについて、どんなイメージか確認しあいました。
・誰でも対等に話ができること
・素直に自分の意見が言えること
・誰でも参加できる
・発言したことが聞いてもらっていると実感できること
そんな場なら、話してみたくなりませんか。
安心して対話をするために、対話のルールをおさらいしました。
《対話のルール》
・何を言ってもいい
・他人の発言を笑ったり否定しない
・話している人のことに耳を傾ける
・話したくなければ話さなくてよい
・急がず、ゆっくり考える
・結論に至らなくてもよい
・分からなくなってもいい
哲学って、「問い、考え、語り、聞く」ことだそうです。対話をとおして、分からないことや問題に気づくこと、一緒に考えること、自分の言葉で語ること、そしてお互いに耳を傾けることを大切にしていきます。
この対話をする上で、助けてくれるアイテムが、毛糸玉の「コミュニティボール」です。

このボールの使い方です。
・ボールを持っている人だけが話していい。
・ボールを持っていない人は黙って聞く。
・ボールをもっている間はゆっくり時間を取ってもいい。
・話したい人は、手を挙げてボールを受け取ってから話す。
・聞きたいこと・話したことができたら、その時に手をあげる。(前の人が話し終わるのを待たなくてもいい)
・話し終わったら、自分で選んで次の人にボールを渡す。
対話のルールとコミュニティボールの使い方を、参加者で確認して始めることで安心感が生まれる気がします。
最初に、自己紹介と「最近の良かったこと」をそれぞれ話していきました。
「最近の良かったこと」を聞くだけでも、お互いに関心が向きます。
今回のテーマは絵本から対話を始めるので、聞きたい絵本を、「おおきなかぶ」、「赤ずきんちゃん」、「おおかみと7ひきの子ヤギ」から選びました。
どんなお話だったけ・・・と、子どもの頃に聞いた話を思い出しながら、どれにするか話ました。オオカミが出てくる話って、3匹の子ブタも赤ずきんちゃんも7ひきの子ヤギも似ていて、記憶の中で混ざってました。あまりはっきり覚えてないということで「おおかみと7ひきの子ヤギ」に決定。
絵本の読み聞かせボランティアをしている方に、読んでいただきました。
じっくり聞くと不思議なお話です。
お話に対する疑問を出し合いました。いろんな疑問が次々に出てきました。
・なぜ人間がオオカミの言うことを聞くのか?
・なぜお金があるのに子ヤギを食べるのか?
・なぜ(お腹を)切ったり、縫ったりされて気がつかないのか?
・なぜ(子ヤギを)飲み込んだのか?
・なぜ人間とオオカミと子ヤギの言葉が通じるのか?
・ヤギの飼い主は、なぜヤギを守らないのか?
・なぜヤギのお母さんは二本足で立っている?
・なぜ子ヤギだけで留守番させてたのか?
・お母さん(ヤギ)は何を探しに行ったのか?(草なら周囲にあるのに)
・お父さんヤギはいないのか?
・オオカミはどうやって子ヤギをつかまえたのか?
・「オオカミ死んだ!」(と喜ぶ)のあのラストでいいのか?
・なぜオオカミはいつも悪者なのか?
・時計の隠れるスペースって、どんな大きさなのか?
・なぜ子ヤギは7匹の設定なのか?
・なぜお母さんヤギは2つの注意点(声と足)だけしか言わなかったのか?
・なぜ1匹しか生き残れなかったのか?
・なぜオオカミは群れで襲わなかったのか?
この疑問から、少し視点を変えて一般的な疑問にしていきました。
・人間と動物は言葉が通じるのか?
・何も感じないほど深く眠れるのか?
・手に入れたいものを得るために、どうしてがんばれるのか?
・どうしてそんなに欲しくなるのか?
・悪者ってなにもの?
・悪者だって死んでいいのか?
・お母さんの子どもを守る勇気はどこから生まれるのか?
・ストーリーは性別(性による役割)を反映しているのでは?
・女性は子どもを守るもの?男性は欲を満たすもの?
これらの疑問から、投票で対話したいテーマを選びました。
今回は、「悪者ってなにもの?」というテーマで30分ほど対話をしました。
まずは、一人ずつ思うところを話してみました。
・24時間悪い人っていないはず。悪いことをした人が、どうしてそれをしたの?と聞かれずに、責められるのは辛い。
・どんな立場から見るかで、悪い、善いというのが決まる。
・悪者は、立場を変えるとどちらも正義と言っているかも。
話は、自分にとって悪いことをした人を、ゆるせる相手、ゆるさざるをえない相手、絶対ゆるせない相手がいるとうことから、悪者と善い人を分ける間に、好き嫌いという感情も入るという話題が出ました。
また、社会には悪者を作ることで安心したり、自分が正義であるために悪者をつくる意識があるのでは?ということ、どうして子ども向けのお話は悪人と善人が分かりやすく書かれているのか?という疑問が出てきました。
最近の子ども向けのお話には、ひどいいたずらをして、その結果として痛い目にあっても、最後にいたずらする個性を受け止めてもらえるというものがあり、子どもへ配慮されている気がするという話も出ました。
子どもが小さい時は、悪いこと、善いことが明確なほうが、理解しやすい。子どもだって、いろんな見方をすることで悪者も善い人も変わること、多面的に考えることもできるのでははないか。いろいろな経験をとおして複雑な状況を理解できるようになっていく。いろんな子どもがいて、善悪がはっきりしていることに納得する子もいれば、おかしいな?と疑問を持つ子もいる。できれば、子どもにも丁寧に、状況やものごとの理由の説明ができるといいね。
など、子どもについて話が多く出てきました。
感想では、
・とてもいい時間だった。中学生などは、この対話の時間、きっととても好きになると思う。
・今日のテーマで対話できたのがよかった。もし自分の関心が低いテーマで対話をすることになっても、今日のように楽しめるだろうか?
・テーマによっては難しくて、考え込むこともあったけれど、他の人が話しているのを聞いているうちに、考えていることを言葉にしたくなってくる。哲学対話の時は、なぜかいろいろ話してしまって、普段なら話さないようなことも言いたくなってくる。
・きっと、言ったことを受け止めてくれると思えるから話したくなるのだと思う。
・今日のテーマ「悪者ってなにもの?」は子ども達だったら、どんな対話になっただろう?
・少子高齢化が進む地域で、地域の課題に何かできることを、と活動してきて、昨年からみなさんの知恵や力と一緒に進めている。何にもしないより、少しでも努力したいと思う。哲学対話も少しでも地域の中で、地域のコミュニケーションのツールになるといいと思う。
・今後は、地域の人の集まりの場へ行ってやってみよう。
・哲学対話が少しずつ広がってきて、うれしい。地域の価値を探して、地域のこれからを話すことを目指すが、その入り方が難しい。それぞれの人の価値感を哲学対話で少し共有できることで、地域のことを話せるようになると思う。
・地域のこれからのことなど、考えたり、思ったりしていても、なかなか話す場が無いと感じる。先日の「朽木の今昔写真」の第3回では、未来へのメッセージをみんなよく話してくれていた。そんな機会も作っていければと思う。
感想の時間も、対話が続いてました。
終了してからのおしゃべりタイムも、いつも楽しい時間になります。
対話の後は、話すことが楽しくなります。
そして、余韻のように話していたテーマについて考え続けてしまいますね。
次回は、朽木文化祭でできればと計画しています。
不適切な内容や規約違反を発見した場合はご報告ください